一斉休校中のオンライン音楽授業について

 新型コロナの感染拡大が一向に衰えません。日本中の子供たちが、学校に行けない、友達と遊べないなど、様々なストレスを抱えてながらも、それに耐えながらどれだけ我慢をしてくれているかと思うと、本当に心が痛みます。今こそ、大人たちが本気になって、子供たちが一日も早く学校に行ける状況をつくるために頑張る時ですね。

 私は、人との接触を8割以上減らす目標は、しっかり達成できています。お寺の仕事も、テレワークを導入するなど、様々な工夫をしています。先日は、電話をスピーカーモードにしてお経を読み、ご門徒さんにはご自宅のお仏壇の前で手を合わせていただきました。

 音楽の先生方とも、電話やLINEで相談をしています。FaceTimeでテレビ電話も使えるようになりました。次は、Zoomアプリを使えるようにしようと思っています。音楽教育駆け込み寺の発信ツールが少しずつ増えていくと思います。

 

  さて、緊急事態宣言が全国に広がったために、学校が再開した地域でも再び休校となる学校が増えるものと思います。そこで、今日は音楽オンライン授業についてまとめてみたいと思います。

 

  オンライン授業をする際に、音楽科で注意しなければならないのが音楽著作権の問題です。これは、他教科には無い大きなハードルです。この著作権の問題は、小梨貴弘先生がすでにご紹介してくださいました教育芸術社のホームページに詳しく載っていますので、ぜひ、熟読してください。

 

①学校で授業の動画をつくって配信する場合に注意すること

 【授業の内容】

・教科書に載っている曲を先生方が演奏したり、教科書の楽譜を見せたりしながら授業をすることは、休校中の特例措置として、楽曲利用の許諾をとること無く配信することができます。ただし、写真やイラストには別の権利があるそうですので、それをじっくり見せることは避けた方がよいようです。

・教師用指導書付属の音楽CDに関しては、「著作隣接権」という別の権利があるので、使える楽曲と使えない楽曲があります。オンライン授業の中で使えるかどうかを教科書会社に問い合わせる必要があります。

・授業では、楽曲を使って歌ったり演奏したりできるので、通常の授業の形に近いものができますね。ぜひ、校内の先生方に協力を得て、児童役で歌ったり演奏してもらったりして、音楽室で授業をしている雰囲気に近いオンライン授業も楽しいかと思います。

 【配信方法】

・世の中のだれもがその動画を見ることのできる状態では無く、YouTubeの限定配信にしたり、動画にパスワードを設定したりするなど、その学校の子供たちだけが見ることのできる状態にして配信する必要があります。

 【その他】

・音楽著作権の利用手続きが免除されるのは、一斉休校期間だけの特例です。今のところ56日までです。この期間以外は、先生方の演奏を流すことも、楽譜を見せることもできなくなります。ただし、YouTubeの限定配信などのJASRACと許諾契約を締結している動画投稿サイトの場合、自分の演奏したものを配信することはいつでも認められていますので、楽譜を見せなければ、先生方が演奏したものを配信することは可能です。

・文部省唱歌などの作者が亡くなってから50年(作曲者の中には戦時加算があったり、70年の作曲者もいます)を経過した作品は、音楽著作権の消滅している楽曲が多いです。どんな配信方法であっても、先生方が演奏した動画を配信することはいつもで可能です。楽譜も、教科書の紙面を使うことはできませんが、先生方が手描きでつくったものや楽譜作成ソフトでつくったものならば見せることができます。どの曲に著作権があるかをJASRACの検索ページで確認できます。

 

教育委員会で作成して、市内に配信する場合に注意すること

 学校配信と大きく異なるのが、音楽著作権の特例が適用されないということです。ですから、文部省唱歌など音楽著作権の消滅している曲は演奏して問題ありませんが、著作権の管理されている楽曲はすべて、楽曲利用の正式な手続きをしなければ、演奏することも楽譜を見せることも縦書きの歌詞を見せることもできません。

 そこで考えられるのは、次のような授業です。

 ・教科書を使わず手書きの楽譜などで、著作権の消滅した曲を使って授業をする。

 ・お囃子や民謡を使って授業をする。*

 ・文部科学省のHPで紹介されている学習支援コンテンツを家庭で視聴するように促す授業をする。

 (併せて教科書会社のHPで聴くことのできる音源を聴きながら、家庭で歌うことを勧める)

 ・楽譜の階名唱のコツを教え、読譜ができるように導く授業をする。

 ・コップに入れる水の量を調整して音階をつくり、旋律を演奏する方法を紹介する。*

  このように考えていくといろいろなことができそうですね。なお、*の印のアイデアは、茨城県の先生からの相談の際にご提案いただきました方法です。どうぞ皆様、子供たちのために知恵を絞って、楽しいオンライン授業をつくってくださいね。

 

※著作権に関しては、私の理解不足の面もあろうかと思います。間違っている記述等がありましたらご指摘いただけましたらありがたく思います。

 

 

 

令和5年

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令和5年

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